情報コラム~相続税~
情報コラム~新着情報~
- 2015.09.04 (事業年度(決算月)の決め方と変更手続き)を掲載しました。
- 2015.02.17 (節税の盲点 ~個人確定申告編~)を掲載しました。
- 2014.07.03 (個人住民税って地域によって損得がある?)を掲載しました。
- 2014.06.06 経産省『経営革新等支援機関』に認定されました。
- 2013.12.30 (個人事業主も記帳義務化へ)を掲載しました。
- 2013.12.26 (相続大増税時代に備えて)を掲載しました。
~相続大増税時代に備えて~
※ 家族の『住まい』を見つめる
平成25年度税制改正を受けて、平成27年1月1日以後の相続については大幅に相続税が増税されます。
これにより相続税の課税対象者が現状の約4%から2倍に、東京都では10%を超えると言われています。
今回は相続税の税制改正を取り上げながら、核家族化、少子高齢化が進む現在、『住まいの在り方』
について考えてみます。
~ 相続税の基礎控除の引き下げと最高税率の引き上げ ~
まず、増税項目から確認すると、バブル後の地価の大幅下落等への対応、格差の固定化の防止等の
観点から以下の改正が決まりました。
▼ 相続税の基礎控除の引き下げによる課税対象者の拡大(4割カット!)
改正前 「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」
↓改正後 「3,000万円+600万円×法定相続人の数」
例えば夫が死亡し、法定相続人が妻と子2人の場合、基礎控除額は8,000万円から4,800万円に下がります。
基礎控除の引き下げにより、相続税の課税対象者も当然増えます。
上記のケースで相続財産が5,000万円とすると、改正前では非課税ですが、
改正後だと約10万円の相続税が課される計算*となります。
ちなみに、国は本改正により2,570億円の増収を見込んでいます。
▼ 相続税の最高税率の引き上げ
資産家をターゲットに最高税率が50%から55%へ引き上げられます。
特に相続財産の大部分を不動産が占める場合や、子供のうち一方が親の面倒を見ている場合などは、
相続財産が高額でなくても、いわゆる「争族」に陥り易く、注意が必要です。
~ 小規模宅地等の特例の上限拡大~
増税ばかりが注目されていますが、相続人の居住や事業の継続に配慮する観点から、
減税になる改正もあります。
相続人等の生活基盤維持のため、配偶者や同居親族等の一定の要件を満たす者が自宅の土地を取得した
場合に、相続税評価額が最大80%減額されます。
その要件が一部見直されました。
▼ 居住用宅地の適用対象面積の見直し
改正前 上限240㎡
↓改正後 上限330㎡
これを機会に、親との同居を検討してみるのも良いかもしれませんね。
~ 居住用宅地の適用要件の緩和・柔軟化 ~
さらに上記改正より1年早く平成26年1月1日以後の相続について適用されるものがあります。
▼ 二世帯住宅は完全分離型でも特例適用の対象に
二世帯住宅については、内部で行き来ができるか否かにかかわらず、同居しているものとして、特例の適用ができるようになります。
意外かもしれませんが「同居」の在り方について、現代社会を反映して法律も変化をしていきます。
▼ 老人ホームに入所した場合の条件緩和
老人ホームに入所したことにより自宅に居住しなくなった場合でも、以下の要件の下で、自宅扱いとして、 特例の適用ができるようになります。
- ① 介護が必要なため入所したとき
- ② 第三者に貸付けをしていないこと
これまでは、「老人ホームの終身利用権」を取得している場合は認められませんでしたが、 こちらも、国民感情を考慮しての条件緩和ですね。
上記で見てきましたように、同居や生計一、二世帯住宅や老人ホームといった家族と住まいの在り方に応じて、 優遇税制が用意されています。
これらの特例は、
ご家族としっかり話し合われるとともに、専門家へご相談されることをお勧めいたします。
「税金」は知らないと損をするようにできています。
相続に関する知識を広く普及するため、私は相続BOFカフェの講師一員になりました。