真の相続・争族問題とは?~平成27年相続税改正も踏まえて~
争族問題は、お金持ちの関心事?

いよいよ平成27年1月1日より改正後の相続税法が適用されます。
税理士の役割については
「相続対策と税理士の使命について」でご案内しました。
ここでは、「争族問題」をコーチング税理士の切り口で取り上げます。
* 争族とは
遺産相続は、ときに親族間で骨肉の遺産争いになることがあり、
そのため,相続問題は「争族問題」と揶揄され、最近では一般的な言葉になってきました。
- 「自分には関係ないし」
- 「家族みんな仲が良いから大丈夫」
- 「大した財産もないから大丈夫」
誰もがそう思っていらっしゃるのではないでしょうか?
果たして、世間の実態はどうなのでしょうか...
争族問題は、誰にでも起こりうる身近な問題です
遺産分割事件の75%は、遺産総額5,000万円以下
財産額 | 総計 | 1,000万円以下 | 5,000万円以下 | 1億円以下 | 5億円以下 | 5億円を超える | 算定不能・不詳 |
件数 | 8,951件 | 2,894 | 3,827 | 1,076 | 557 | 51 | 546 |
割合 | 100% | 32.3% | 42.8% | 12.0% | 6.2% | 0.6% | 6.1% |
出典:裁判所(司法統計)平成25年度 遺産分割事件の財産額 |

ご存知ですか? 争族は、お金持ちの事情ではないことを。
平成25年度の最高裁判所の司法統計をみると、
遺産分割事件の約75%は遺産額5,000万円以下の相続で起きています。
つまり、ごく一般の家庭でも、東京で戸建てかマンションを所有し、相続人が複数いるだけで争族が起こるかも知れないのです。
理由の一つに、経営者や資産家は、常日頃から弁護士や税理士とお付き合いしているので、
生前からの相続(争族)対策をしっかり準備していることが挙げられます。
一方、一般のご家庭は士業の方と出会う機会も少なく、「お金持ちじゃないから」という考えもあって、
いざ相続が始まってからもめる事になります。
平成27年の相続税法改正が追い打ち
相続財産5,000万円でも相続税の対象に!
さらに今回、「相続税の基礎控除の引き下げ」により、5,000万円以下の財産でも、
相続税がかかるケースが今後は出てきます。
【例】 相続税の非課税枠(相続人が2人のとき)
3,000万円+600万円×2人=4,200万円
5,000万円-4,200万円=800万円に相続税が課される!
こんな方は「争族」にご用心
争族の典型的なケースをいくつかご紹介すると
- ・遺産は、都内の一等地にある持家と少しばかりの預貯金
⇒ 不動産を売却して現金化しないと相続税が支払えない! - ・親の介護を特定の相続人が一手に引き受けていた
⇒ 均等に分けるのではなく、介護の負担を金額換算して欲しい! - ・子供がなく、相続人が兄弟やその子供たち
⇒ 相続人の数が多く、疎遠であるため、互いに遠慮せず権利を主張!
人間感情が一度もつれると(しかも親族間では加減を知らないので)、
トコトンもめたあげく、「一生顔も見たくない!」と縁を切ることになってしまいます。
真の「相続(争族)対策」とは?
いつまでも、兄弟仲良く
相続のお仕事をしていて、一番嬉しいのは、
「分割協議が無事にまとまりました」
というご連絡を頂くときです。
税理士のミッションというと「節税」に走りがちですが
兄弟、親戚仲良く「争族」にならないのが真の「相続対策」ではないでしょうか。
・あいつには、どうせ言っても無駄だ
・こっちの苦労を、あいつは全く分かっていない
・あいつはカネ目当てに違いない
こういう感情は、ときにコーチングを学んでいると、上手に扱うことが出来たりします。
・とりあえず、話をしてみよう
・感情を切り離して、お互いの状況を確認しよう
親族相手だからこそ、感情と上手に付き合う必要がありますよね。
色々な士業の方がいるけど誰に相談すれば良いの?
税理士であり、コーチである所長おさだが争族への不安を受け取ります
私も税理士になるまでは、士業の方の知り合いはまったくなかったです。
でも今では、信頼できる他士業の方も増え、互いに協力、連携しています。
士業の得意分野を少々乱暴に分けると
- ・弁護士:訴訟。争族になった場合は弁護士さんの登場ですね。
- ・司法書士:登記。不動産の相続登記は司法書士さんのお仕事です。
- ・税理士:相続税。税金の対策や相続税の申告書作成は税理士にしかできません。
こんな感じでしょうか。つまり、誰に相談したとしても上記の作業が必要になれば、
士業間で連携して対応することになります。
たとえば、こんな観点でご検討されてはいかがでしょうか?
・自分の悩みを受け取ってくれそうな人
・プライベートな事を包み隠さず話しても安心で信頼できる人
そして、そんな相談相手に、おさだ税理士事務所をご指名頂ければ幸いです。